Q&A

皮革製品の適切な手入れや保管は、購入したときに備わっている機能、風合い、美しさなどを、使用に伴う汚れや劣化から守り、あるいは回復させ、できるだけ長く保つために行うものです。その方法は素材である革の損傷を最小限にするものでなければなりません。そのためには、革やその取り扱い方法についての基本的な知識も必要です。

革について

製品に使用されている革は、天然素材の特性を生かし、自然な感じを損なわない様仕上げられています。このため、完全な色止め加工を施しておりませんので、水に濡れたり、日光にさらされたりしますと、色落ち、変退色により、風合いが変わることがあります。
感触の良い、自然な感じを出した革をつくろうとすると、色が落ちやすくなります。革は耐熱性が低く、風合いを損なう高温染色が出来ないことと、自然な風合いを出すために水に溶ける酸性染料を使っているためです。色落ちしやすい特性があることを知って、例えば濃い色の製品使用の際には、薄い色の衣服は避けるといった注意が必要です。
天然皮革は湿気を嫌います。高温多湿はカビ発生の原因になります。カビは発生してからでは手遅れです。菌の根が革の組織に深く入り込み、跡が残ってきれいになりません。ご使用にならないときは、風通しのよい低温で湿気が少ない場所に保管してください。ビニール袋等通気性の悪いものに包装しての保管はカビの発生の原因にもなりますので、絶対に避けてください。
また、光による変退色を防ぐために直接日光や照明があたらないようにしてください。
どんなにお気に入りのバッグや靴であってもときどき休ませてあげてください。いくつかの製品を交互に使用すれば、傷みや型くずれも少なく長持ちします。 日頃からご使用後は、カラ拭きを習慣づけましょう。

グレージング仕上げの製品の場合

グレージング仕上げの革のお手入れに使用するクリームは、KIWIの靴クリームの無色のもので固形のものが、ご使用可能です。液体のものは使用しないで下さい。また鞣製工場により仕上げは異なりますので、製品の目立たない部分に少量のクリームでテストをした後、ご使用頂く事をお勧めいたします。

マット仕上げの製品の場合

マット仕上げの製品は、ご使用後に柔らかい布で丁重に拭いて汚れや誇りを取り除いて保管して下さい。少しの汚れは、柔らかくきれいな消しゴムで軽くこすって頂くと取り除くことが可能です。

オーストリッチ革製品の場合

定期的に一般の皮革用防水スプレーをかけておくと、汚れや水から製品を守り便利です。

水にぬれた場合

革は本質的に水を嫌います。 ハンドバッグ、靴などの革製品を濡らした時は、できるだけ早く、乾いた布やティッシュペーパーなどで水分をふきとります。そして製品の形を整え、吸水性のある紙類をつめて陰干しをして下さい。 この処理が遅れた場合や水漏れの程度のひどい場合、汗などの付着によるグレージング仕上げの革の光沢落ちは、残念ですが復元不可能です。
マット仕上げの革の場合は、上記の処理で大体元の状態に近く復元可能です。
また、ドライヤー、ストーブ、スチームアイロンなどの高温での乾燥や、直射日光による乾燥方法は、革の繊維の収縮、変形、変質、変色につながり、復元が困難になりますので絶対に避けてください。

注意点

お手入れ方法はそれぞれの革の仕上げ方法により異なります。
その仕上げに適したお手入れ方法は製品を購入した販売店、あるいは製品納入業者、製造業者当に必ず確かめるようにしてください。